お客さまは会話の流れの中で、ふと素朴な疑問を口にされたりします
「ハサミって自分で研ぐんですか??」
たまに訊かれますが
今までの美容師人生で、自分で研いでるスタッフを見たことなかったので
僕もやったことありません~
毎日 セーム皮で拭いたり、油をさしたりはするんですけどね
その発想がなかったです
ではどうしてるかというと…
その道のプロにメンテナンスしてもらってます
仕事をきっちり遂げる背中です
分解
ハサミによって、ネジの部分なんか全然違うタイプになってます。
古いのもあるので、今度交換してもらうことに
10円硬貨が一緒に置いてあるのに気づきました?
マイナスドライバーの代わりとして、ネジの開け閉めに使えます
アナログですが、そんなハサミもあるんです
円盤型のヤスリで、低い音を立てて回転しています
粗目~細か目まで いろんな円盤があり
研ぎのゴールに向かい、使い分けてくれます
1つのハサミでも「先端」「真ん中」「奥」 と使用頻度が違うので
消耗度合いも変わるんですよね
(密かに、時々で切り方のマイブームがありまして…いまだ途上中です)
砥石を使っての微調整も
以前は、研ぎに出すときは地方の工場まで送ってたのですが
こちらのハサミメーカーさんは、(東京ではこの方お1人だけですが)その場でやってくれます
工場に送って仕上げてもらうのと、何が違うかというと
鉛筆の“芯”にあたる部分(→ ハサミでいう“刃”だけ)を調節するイメージなのが
いま職人さんがしてくれていること
「芯」と「周りの木の部分」の、両方をデザインしてくれるのが、工場での役割だそうです
特殊な機械を使って、二本の刃の厚み調整や、合わさり方を最適にしてくれるってことですね
違うハサミメーカーのを使用してた時は、基本 工場に送ったり
小型トラックで来て、その荷台(工房?)内で研いでくれる研ぎ師さんにお願いしてました
先輩からの紹介でしたが…
正直、「好みの研ぎ方」になってる場合と そうでない場合がありましたね
今はこちらの方に信頼してお任せしてます
で、たま~に工場って感じです
ふと、「先生~」と呼ばれ
むずがゆいですね
研ぎの合間に、ハサミの宣伝も入ります
通常使用のハサミ、スキバサミ、髪が乾いた状態用のハサミなどなど…
技術特許取ったり、いろいろ進化してるようです
ハサミのパフォーマンスを引きだすためのレクチャーを受けてると
ハサミ屋の矜持(プライド)を感じます
職人さんですね
同類でございます
これはスキバサミですが、違いは分かりますか?
ギザギザ部分の先っぽの形が
「ナナメ」か「フラット」かで、切れてるところが違うようです
僕は、立ち振るまいのカッコイイ美容師さんみたいに
スキバサミを「シャシャシャーッ」と使わないので
抜け感(ひっかからない感)が良くてもあまり そそりません
自分の技術と、思考に合っていれば十分かと
必要なら即買うけど、「ちょっと使ってみたいかな~」くらいなら買いません
基本、気に入ったものをずっと使うタイプです
(使わなくなったハサミは、家で文房具化してます…)
でも恥ずかしながら、そんなに強いこだわりはなく
ハサミの「サイズ感」「持ち手の形」「軽さ」が合ってれば合格です
さすがに“弘法筆を選ばず”の境地には全然まだですがね
以前 練習生(アシスタント)の頃、上司に言われました
「僕のこのハサミは、 君が切っても、素人が切っても、真っ直ぐな刃なわけだから、結局は直線しか切れないんだよ」(クオリティの差はあるにせよ)
「カットの構造を理解して、積み重なりで立体をデザインできないと、全く意味がないんだよ」
今までいくつかカットの理論を学びましたが、今でも尊敬してる方の1人です
というわけで
他の美容師さんのことまでは分かりませんが
僕は「ほどほどの機能性」と「操作性」を持ったハサミを駆使して
日々、髪の積み重なりをデザインすることに励んでいます
めちゃくちゃ高価なハサミでも、メンテナンスしなければ、文房具にだって…なるそうですよ^^
なので
ほどほどのを、ほどほどにメンテナンスするのが
僕のハサミに対しての愛になります
また、お客さまへの最低限のサービスです
切れないハサミだと、髪の切り口が“スパ―ン”といかず
押しつぶされるように切られると、毛先が痛みやすくなっちゃいますからね
(肉眼では分かりづらいけど)
そんなこんなで、僕はハサミの研ぎまではできないけど
その道のプロと連携して
今日も大切なお客さまの「髪の平和」を守るのでした♪
Sさん いつもありがとうございます!!
以上エンダヨシノブでした
フィーリングの合う美容師さんが見つかるとよいですね!
ではまた \(^o^)/
意外な人気記事のこちらもおススメです(笑)